雑記(主に政治や時事について)

日々の雑感。政治色が高い目。

佐川国税庁長官の汚い出世の報い

今、ある意味日本で最も悲惨な針のむしろの上に座っている人は、彼なのではないかと思う。佐川国税庁長官のことである。

headlines.yahoo.co.jp

 

日本の官僚の歴史の中で、これほど露骨な「論功行賞」による人事で出世した(ように見える)者はないだろうし、本来黒子であるはずの官僚がこれほど表にクローズアップされることはなかっただろう。

挙句、下記のようなコラージュすら作られる始末である。

f:id:po_jama_people:20180108080117j:plain

 

 

そもそもどんなつもりで国税庁長官にしたのか?

佐川は、近畿財務局が籠池夫妻に金額のすり合わせをし、事前に売却額を決めていた疑惑について「そんなことはしていない」と否定していた。ところがその後、交渉の音声データまで出てきた。はっきり言ってもはや疑惑でもなんでもなく、金額のすり合わせはもう完全に事実でしかなくなっている。完全に意図的な虚偽答弁であり、ありえないことである。また、この事前すり合わせは、非常に悪質な官民談合である。国有財産の売却額を不当に廉価にしようとしているのである。つまり、この事案だけでも手が後ろに回ってもおかしくない話なのである。*1

更に土地売却に関する交渉記録の類はすべて破棄していると国会で答弁しているが、10年分割払いの(つまり現在進行中の)事案に関する交渉記録の類を今段階で全て破棄するなど、公文書管理法違反は明らかである。

こんな嘘をつく人物が国有財産の管理を担当する理財局のトップにいた事自体が信じがたく、はっきり言って森友学園の事案で処分されてもおかしくないのである。

ところがなんと、彼はあろうことか理財局長からさらに出世するという、謎人事が行われる。*2

その出世先がよりにもよって、国税庁長官というのがまた面白い。国会で「書類は全部捨てました」とウソを突き通した人物を、なぜ国税庁のトップに据えるのか? 本人の希望なのか? それとも安倍ちゃんの最大級の嫌がらせなのかw 確かにこの所理財局長が国税庁長官になるというのが続いているようだが、いくらなんでも佐川までその慣例に従わせるっていう、その感覚が全く理解できない。*3

 

予想通りの展開(逃げ切れるとでも思ったのか……?)

そもそも確定申告の時期にはグシャグシャになるであろうことは、すでに就任直後から十二分に予想されていたことである。

www.po-jama-people.info

 

この状況に対し、本人は謝る気なしという、大変強気の姿勢なのだが、どんな鋼のメンタルをしているのか、その鍛え上げ方を是非聞いてみたいし、退官後は「メンタルコントロール」の企業研修の講師役をやってみてはどうだろうか? 大層な話題を呼ぶことになるだろうw

blogos.com

blogos.com

 

まあ、とは言え彼も人の子。おそらく鋼のメンタルで耐えているというより、「もう辞めます」とも言えない状況なのだろう。何しろ総理自らのお引き立てであるのだ。ここでやめるとなると、安倍総理より賜った御恩を返上することになるという、大変無礼な状況が発生するからである。

考えてみれば悲惨な話である。国税庁という国の財政の根幹を支えるセクションのトップに居るにも関わらず、自分自身の存在自体が徴税を妨げているという歴然たる事実があり、しかも5万人以上の職員がそのクレーム対応をしていたり、影響を受けているのである。これ以上悲惨な針のむしろがあるだろうか?

こんなことになるのは、国税庁長官への就任を告げられた瞬間に、彼自身も容易に予想できただろう。この出世を拒否しなかったのは何故だろうか? 官僚の本能か? それとも逃げ切れるとでも思ったのだろうか? 周りを何かで固められて、拒否できないことになってしまったのだろうか? 

 

佐川クンをこの悲惨な針のむしろから救い出すには、方法は一つしかない。安倍政権の退陣と、その後の人事による佐川クンの異動である。その場合、おそらくある程度ランクの下がった所に行くことになるだろうし、事務次官など望むべくもない。きっと天下りなどするのだろう。それはきっと官僚人生としては敗北の部類になるのだろう。

だが、今の針のむしろに座り続け、安倍政権がさらなる長期政権化し、上に上に引き上げてもらうシナリオに、どれほどの現実味があるのだろうか? 今段階ですでに5年の長期政権であり、自民党内にはあとを狙っているものが山ほどいるのである。しかも、上に引き上げてもらえば引き上げてもらうほど、針のむしろはよりキツイものになるのだ。佐川クンはそんな人生に耐えられるのだろうか?

 

人間、出世だけが全てじゃない。汚い出世の報いは、このようなものなのである。と、この件で大変勉強されられた思いである。

*1:ネトウヨはこの問題について相変わらず「何が問題なんだ」という態度を貫いているが、国有地を不当に廉売する行為を擁護する右翼とは、一体何の冗談なのか?

*2:いや、もちろん全然謎じゃないけどね。安倍政権の人事は第一次安倍政権の頃から、ある意味非常にわかりやすい。ずっと「お友達内閣」と言われ続け、それが今でも続いているのだが、「お友達内閣」という言葉はいつしか使われなくなっていった。

*3:前にもどこかで書いた気がするが、脱税2大巨頭夫婦と言っても良い、西原理恵子先生と高須克弥先生に、佐川国税庁長官とのビッグ対談をぜひ行って頂きたい。AbemaTVあたりで企画頂いて。絶対ネット界が騒然とし、盛り上がるはずである