雑記(主に政治や時事について)

日々の雑感。政治色が高い目。

朝日は報じないXXX → それ、報じてますけど というネトウヨや安倍ちゃんのいつものアレ

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「全く報道していない」と、大勢の記者の前で堂々と大嘘をつく総理大臣

 

まあ、いつもの発作です。

www.asahi.com

 

「報道しない自由」といういつものネトウヨの発作

そもそもある事象に対してどういう報道スタンスを取るかは、その会社の判断に基づくものになる。紙面に割ける量はコストと値段からしても限られているのだから当然である。「報道しない自由」などという用語がネトウヨ界にはさんざん出回っているが、「報道しない自由」なんて物は「報道の自由」とセットで当然存在しているに決っているではないか。

それに対し総理大臣が口を出すというのは、実質的に衆目の前でマスメディアに圧力をかけたということになるわけだが、報道各社の反応はなんとも鈍い。それどころか総理の発言にお追従してしまう新聞社がいるのは嘆かわしい。

www.sankei.com

 

「全く」から「少ない」にゴールポストを動かしている感がありますが、すべての会社が産経新聞と似たような紙面作るようになったら、夕刊すら存在しない産経新聞なんて一瞬で潰れると思いますが、それでいいんですかね? 大体あんな分量が薄っぺらい紙面しか作れない産経新聞が「報道しない自由」とか、笑っちゃうわけですが。

 

加計学園問題の本質となんの関係もない加戸発言

そもそも加戸の発言が取り上げられないのは当たり前の話である。加計学園問題について、加戸発言は何らニュースバリューのない発言だからである。

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国会で言っていたことと、この紙面で言っていることは大体同じである。加戸の主張は煎じ詰めれば下記の3行に収まる。

  • 自治体としては獣医師不足に困っていて、獣医学部を欲しがっていた。
  • そこに一番手で手を上げてくれたのは加計学園であり、自治体として大いに歓迎していた。
  • 自治体としてはどこに決まっても問題はないが、加計学園がずっと手を上げ続けてきてくれていたことに感謝しているし、計画の内容についても評価している。

 

自分に言わせれば「だから何?」という話である。

加計学園問題の本質は、文部科学省加計学園の承認をしようとするプロセスに、総理が私的交友関係から横槍を入れ、本来取られるべきプロセスが取られず、適正に審査されなかった、という事である。

本来あるべき承認プロセスが、総理の私的交友関係から歪められるということが認められるようになれば、本件に限らず今後も税金が総理の私的関係者の事業にばら撒かれるということになる。そして、その税金は本来、貧しい人や、職を求めている人など、困っている人に国が手を差し伸べるために使われるべき金ではなかったのか? という問題なのである。

従って、加戸の訴える地元自治体の主張は、自治体の主張としては理解できるが、そもそも加計学園問題の本質となんの関係もない話である。それどころか、加計学園問題を感情レベルの問題に落としてしまう為、報じるべき内容とも言えないのである。

 

問題を感情レベルの話にすり替える手法

と言うか、安倍ちゃんやそれにお追従する人々は、行政や立法の重要な問題を、極めて狭い局面における感情レベルの問題に矮小化し、自分に優位な話に持っていこうとする手法を常に用いている。*1

非常にわかりやすいのが、先日の党首討論での安倍ちゃんの憲法改正についての発言である。

www.buzzfeed.com

国民の多くがその存在意義を認め、歴代政府も現行憲法下でも合憲と説明してきた自衛隊を、なぜ改めて憲法に記す必要があるのか。

安倍首相が繰り返したのは、論理とは懸け離れた感情論だった。

自衛隊員の気持ち、子供達の気持ちを考えてほしい」

大筋で、こんな話だ。

《24時間365日、国民の命を守っている自衛隊。しかし、憲法学者違憲の疑いがあるといい、教科書にもその記述が載っている。

自衛隊員の子供たちは、その下で学んでいる現実がある。私たちの世代の責任で、不毛な論争をなくしたい。》

 

 

全く矮小で、話にならない感情論である。そもそも東日本大震災も経て、自衛隊に感謝していない国民などいるのだろうか? いるにしても、ものすごく小さい範囲の話なのであり、そんな事のために、国民投票まで実施し、憲法を改正するのか?

大体自民党はずっと自衛隊は合憲であると主張してきたのだから、その筋で今すぐに憲法学者と正面から議論をすればいいだけの話である。であるにも関わらず、上記引用のような感情論を持ち出すのは、安倍晋三憲法改正の議論を真正面からやっても負けると考えているからである。

いつもこのような手法で、重要な問題についての議論を真正面からやることを避け、人の感情を喚起し、あるいは人々を分断して、自分のいいように結論を持っていく事で、行政や立法のプロセスを歪めながら、政権にとっての難局を乗り切る。それが安倍政権の政治なのである。

*1:ここで勘違いしてはいけないのは、自分が「政治は感情レベルの問題を気にしてはいけない」と主張しているわけではない。「政治レベルの問題を感情レベルの問題に意図的に落として矮小化してはいけない」という主張である。