5/27、衆議院の厚生労働委員会で「働き方改革関連法案」が採決された。法案は5/29に衆議院を通過し参議院に送付の見込み。与党は6/20の会期末までに成立させようとしている。
働き方改革関連法案は、下記の記事で書いたとおり、「高度プロフェッショナル制度」というものが含まれており、一定の要件を満たしたものには残業代を払わなくても良しとする制度である。つまり、残業代ゼロ法案である。
安倍政権の運営はあらゆるところが駄目なので、「クソだなー」と思うことは山ほどあったが、これほどまでに自分の生活に即時に直結する部分での驚異をこの政権に対して感じたことはないし、これほどの明瞭な怒りを感じたことも今までになかった。
法案の問題点・成立の過程の問題点のおさらい
この法案自体の問題点も、法案成立の過程の問題点も、あらゆるところで語り尽くされている。基本的にはこの辺を読めばよい。
法案自体の問題点
法案成立過程の問題点
特に、この法案成立の過程は許しがたい。法案の根拠となっている数々のデータについて、これまでにも散々ミスが指摘され、「この法案にはそもそも数値的な根拠が本当にあるのか?」とずっと言われていた。にもかかわらず、採決の当日にも新たなデータの問題点が見つかり、その点を岡本議員が指摘してた。
だがその指摘を、なんと委員長が一方に「時間が来たので」と打ち切り、いきなり採決を始めたのである。読む国会さんが「驚天動地」と表現していたが、当然である。
こんな採決をするのであれば、最早はじめから質疑自体いらないではないか。法案が提出されたら、一行も紙を一切読まずに、委員長が「それでは採決を行います」と言い。自民党の議員がスックと立ち上がり、何が書かれているかもわからない法案が成立する。それで十分である。立ったり座ったりすればいいのであれば、幼稚園児でも国会議員をやれる。
何億回でも言う。残業代ゼロ = 安倍晋三だ
自分が高プロ制度 = 残業代ゼロ制度の阻止についてなにかできる事があるとするなら、上記の点を強調することだ。安倍と与党の悪を、はっきりと際だたせることだ。
第一次安倍政権の頃から、安倍晋三はこの「残業代ゼロ」に非常に固執してきた。列挙すると下記のとおりである。まさに、「残業代ゼロ = 安倍晋三」なのである。
政権 | 年 | 出来事と結果 |
第一次 安倍政権 |
2006年 |
安倍内閣、「労働ビッグバン」を提唱。その中に、下記項目が盛り込まれる。 →「金銭解雇ルール」の法制化
↓ ホワイトカラー・エグゼンプションの適応対象者の範囲が具体的に示されず、基準年収額も「相当程度高い」とするのみで明確ではないと、批判を受ける。 |
2007年 | ホワイトカラー・エグゼンプション対象者を下記に限定し、国会提出を狙う。
当時の舛添厚生労働大臣「名前をホワイトカラー・エグゼンプションなどと呼ばずに、家族団らん法と呼ぶように」と省内に指示し、批判を浴びる。 ↓ 年収要件が後ほど下がるのが見え見えだ、などと多方面からの批判をうけ、国会提出を断念。また、安倍内閣の支持率が本件により急落し、事実上この法案が第一次安倍政権を倒したことになる。 |
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第二次 安倍政権 |
2015年 | 労働基準法改正案が提出される。その中には下記項目が盛り込まれる。 (★部分が「残業代ゼロ」部分)
↓ 残業代ゼロがまた盛り込まれたことを受け、国会で棚晒しとなる。 |
2016年 | 働き方改革実現委員会発足 | |
2017年 | 働き方改革実現委員会にて働き方改革実行計画が決定される。 ↓ 2015年の労働基準法改正案は、「過労死を招く」と批判され、1度も審議されることなく廃案になる。 |
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2018年 | 働き方改革関連法案国会に提出その中には下記項目が盛り込まれる。 (★部分が「残業代ゼロ」部分) 第1の柱:働き方改革の総合的かつ継続的な推進(雇用対策法改正) 第2の柱:長時間労働の是正と多様で柔軟な働き方の実現等(労働基準法等改正)
↓ 2018/5/25 衆議院厚生労働委員会を通過。 |
こうして並べてみると、毎度毎度同じ手口で出してきていることがよく分かる。なんとなく労働者に良さげな、しかし何をやりたいのかよく分からない法案の中に、さり気なく残業代がなくなる法律を混ぜるというやり方である。
なお、上記のように、第一次も含めた安倍政権の残業代ゼロ年表を並べてみたが、「民主党はどうなんだよ! アイツラだってどうせやってんだろwww」みたいな声も出るかもしれないので、はっきりといっておこう。
残業代ゼロ関連の法案を、安倍政権以外の内閣が国会に出そうとしたことはない。絶無である。
2005年6月に経団連が厚生労働省労働政策審議会にてホワイトカラー・エグゼンプションを提言して以降、小泉政権、第一次安倍政権、福田政権、麻生政権、鳩山政権、菅政権、野田政権、第二次安倍政権と、この13年間で8つの政権が存在した。そのうち、残業代ゼロを国会に出そうとしたのは、第一次安倍政権と、第二次安倍政権だけである。
2006年の労働ビッグバンの提唱以来、12年越しで、しかもセットで提出している他の法案部分は手を変え品を変え、法案の名前も色々工夫し、残業代ゼロとか関係ないように見せかけて、残業代ゼロをきっちり出してくるのである。
ここまで見てはっきりわかるだろう。残業代ゼロは、安倍晋三の12年越しの悲願なのである。「第二次安倍政権の」ですらない。一次と二次の間で10年以上の時間が空いているにもかかわらず、ここまで固執しているのである。もはやその時の政治や時局の問題などではなく、安倍晋三個人にとって重要な法案なのであると、断ずるより他にないではないか。
そして、そんなものに与党はお付き合いをし、日本人を労働地獄に追い込もうとしているのである。
なによりも怒りが必要だ。怒りを表明しよう!
この件については、とにかく怒りに尽きる。すべての労働者が怒りを表明しなければならない。自分はこのように怒っている。*1
明日、高プロ法案が強行採決されます。自民党を支持したお前らが支持した法案です。残業代無くなってよかったね。
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 24, 2018
今更「こんな事になるとは」とか言うなよ。第1次安倍政権からの、安倍晋三の10数年越しの悲願だからな。 https://t.co/HaG0zKsKG7
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 24, 2018
何億回だって言ってやる。残業代ゼロ法案を国会に出したのは、日本の歴史上、安倍政権だけだ。 https://t.co/TqEFOr0bw8
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 24, 2018
お前らの自民党が残業代なくしてくれるぞ。これで、これまでなら過労死とされた労働の果に死んでも、過労死と言われることはない。会社と安倍さんと日本のために、心ゆくまで働いて死ぬことが出来るわけだ。良かったな、お前ら。
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
「高プロは残念だけど、消去法で安倍さん」とか言う連中は、間違いなく政府にとって「消去」の対象に自分が入っていることを無視している。
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
何が消去法だよ。本当に、ただひたすらに死ねって感じ。
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
消去法で安倍じゃねえんだよ。日本から安倍を消去しろよ。 https://t.co/rkfjGtwtvz
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
安倍支持のアカウントはよぉ。「安倍さんバンザーイ! 残業代廃止最高!!」って称賛してみろよぉ。安倍が何回残業代ゼロ法案国会に出してきたと思ってんだよ。第一次安倍政権のころ、提出自体阻止されてから、政権復帰後も何度も出してきた、安倍さんにとって、憲法改正並みの悲願の法案やぞ。 https://t.co/n3LRhczUGh
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
安倍の自宅に火炎瓶が放り投げられるくらい、普通の国なら当然起こってるだろ。
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
「法案にはあくまで是々非々で」とか言ってるやつには、何度でも言ってやる。残業代ゼロを支持しないなら、安倍だけはない。なぜなら、安倍政権以外で残業代ゼロが国会に提出されたことなど、ただの一度もないのだから。 https://t.co/sYyiY4xsQ6
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
安倍を支持するという事は、残業代ゼロを支持するということだ。そこを誤魔化すやつだけは許せない。 https://t.co/I5uaqavwZr
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
野党は立派に成立阻止に向けて動いてたぞ。野党に力がないのは、お前らがバカにしすぎてるからだろ。ふざけるなよ。
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
厚生労働委員会での野党に不満があるとするなら、暴力性がまだ足らないということだ。こんな最低の強行採決、流血沙汰を起こしてでも与党にプレッシャー与えろよ。
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
高プロを阻止するためなら、野党が武器を(銃とか刀剣とか、本当の物理的な武器を)持ち込んで国会に立てこもったとしても、俺は野党を支持するぞ。まともに民主主義が機能しないなら、暴力革命以外ないだろう。
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
政治の本質は所詮暴力だ。民主主義など、そこにかぶせた壁紙でしかない。
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
安倍が民主主義という壁紙を剥がした剥き出しの政治を見せつけてくると言うなら、相手の側もやってやるしかないだろう。
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
もう政治運動のテーマ曲に、ビートルズとか流してんじゃねえぞ。そんなフェーズはもう過ぎた。今流すべきは、これだ。https://t.co/JpAzjaJlBQ
— ボビー・ブラウン (@po_jama_people) May 25, 2018
色んな方々も怒りを顕にされている。まず、読む国会さん。
遺族が遺影をもって見守る中、このように茶化した発言ができる議員、外道という言葉ですら生ぬるい。 https://t.co/v6HbSDGbsC
— エリ@読む国会 (@yomu_kokkai) May 25, 2018
続いてTadさん。
働き方法案の強行採決。過労死遺族の方々が目の前で傍聴しているにもかかわらず、はしゃいだように起立を促す堀内のり子議員。今年1月に質問時間を余らせてしまった自民党魔の3回生。 #報ステ pic.twitter.com/iw8efkj0HW
— Tad (@CybershotTad) May 25, 2018
過労死遺族の方々がすぐ目の前で傍聴してるんですよ。本当に信じられない。堀内のり子議員のはしゃいだような一連の行いは、国会議員として許せるものではありません。 pic.twitter.com/Am4gmrsmtJ
— Tad (@CybershotTad) May 25, 2018
特に堀内のり子の行動には絶句である。過労死遺族の目の前でのこの行動である。自分が遺族の立場なら、こんなのを見せつけられて、倒れてもおかしくない。もはや国会には正義など存在しないのか、としか言いようがないのである。
とにかく、怒りを表明しよう。怒りを心の中に抱えて、黙っていてはだめだ。怒りを見せつけよう。その先にある暴力や死が、与党の議員の頭にちらつくくらいになるまで、徹底的に怒りを見せつけていくしかない。自分もTwitterに書いたとおり、民主主義は政治という暴力をラップしているものに過ぎない。政治とはすなわち暴力なのだから。
*1:Rainbowの「Kill The King」良い。歌詞も音も、ストレートに「王を殺せ!」と歌っている。人民が立ち上がり(Power, power it happens every day. Power, devour all along the way.)、王を強制的に跪かせ(Kill the king. Take his head. Down, down, down, down.)、きっちりと殺すところ(Oh, kill. Oh, kill. Oh, oh.)まで描写しているのである