雑記(主に政治や時事について)

日々の雑感。政治色が高い目。

森友学園問題に見る、政治から始まる国家のモラル崩壊

小池政権こそ生まれなかったが、以前このエントリーで書いた事態が、現在も進行中ということが改めて証明された。

 

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政治は時代の空気に影響され、時代の空気もまた政治に影響される。

 

政治から始まる国家のモラル崩壊が、全国に静かに波及し、実際の行政に支障をきたすことになるのかもしれない。

年明けから始まる確定申告に向け、全国各地の税務署に対し、納税者からクレームの嵐が吹いているようなのである。

森友「破棄した」答弁の佐川長官 国税内部からも批判 納税者の反発は自覚

 佐川氏の就任直後から、各地の税務署には「書類を廃棄したと言えば許されるのか」「あなたに適正・公平な行政を語る資格があるのか」などといった苦情が寄せられてきた。

実際、各地の税務署はこれまでなかったクレームにさらされている。徴収や調査で任意提出を求める資料について、納税者から「来年からは提出しない」と言われたり、領収書がないため仕入れ税額控除を認めなかった際、「おたくのトップは認められている」と嫌みを言われたりするケースが起きている。

 

首相の立場を忖度してかどうかはさておき、あとから検証の対象となるドキュメントを捨てておいて、「捨ててしまったからよくわからん」と国会で宣った人が、「お前らから税金を徴収するから、徴収や調査に必要な書類をよこしないさい」と言って回る組織のトップに、論功行賞的な形で据えられたのである。

一体誰が納得して書類の提出に応じるというのか。

 

これから徴税の業務が非常に大変になるのは間違いないだろうし、それは最低でも安倍晋三が失脚し、佐川が国税庁長官の座を降りるまで続くだろう。

いや、下手をすると佐川が「破棄した」と言ったドキュメントが表に出て、森友学園問題の真相が国会で完全に明らかになったと「世間が認知するまで」、半永久的に徴税に影響が出る可能性があると考えるべきなのではないだろうか。「あの時書類を捨てても問題ないとお前ら言っただろう。今でもその見解に変わりはないんだよな?」と納税者に言われて、果たして税務署員はどう反論するのだろうか? この問題が解消しない限り、10年でも20年でも同じことが言えてしまうのである。

何しろ自分たちのお財布から出て行くお金の話なのである。納税者の多くが「こんな奴らの徴税に応じるのか」という考えになるのは当然である。

消費税の税率アップの前に、来年度からたばこ税の増税など、様々な増税や負担増が待ち受けているのだが、森友学園問題で減ってしまう税収をカバーできるのだろうか?

 

森友学園については、会計検査院も土地の値引きについての根拠が「十分に確認ができない」としている。これまた、書類が破棄されて確認ができないというのである。

mainichi.jp

 

もはや潔白を証明する気すらない政府なのである。関連書類を全部捨ててしまって、「黒じゃないから問題ない」などという幼稚な論理で開き直っている。書類を偽造するなりしてくれたほうが、まだモラルの存在を感じられるというものである。

 

国家のモラル崩壊の果てに、こんな状況まで起きている。

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逮捕勾留するのは、基本的に取り調べを進めるにあたって逃亡の恐れがある者についてである。あれだけテレビの前で顔を晒した人物が、物理的にどうやって逃亡に成功するのか。また、国会での証人喚問にまで応じた人物が、逃亡を図るなどありえるのか? 全てにまともな説明がないのである。

安倍晋三からは以前こんな発言も飛び出した。

nobuogohara.com

 

公判さえ行われず、本人に何ら弁明の機会すら与えられていないにもかかわらず、すでに有罪が確定しているかのような、安倍晋三の異様な発言。この長期間の勾留は、「安倍晋三侮辱罪」の「刑期」として懲役期間であるということなのだろうか。

何しろ証人喚問に至った理由が「安倍首相を侮辱した」というものなのである。これほどまでにモラルの欠片もない、異様な政権がかつて日本にあっただろうか?

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すべての局面に見られる歪んだ「信賞必罰」、証拠を自ら捨ててしまえば開き直って無罪を主張できるという幼稚な発想、崩れ果てたモラル。

森友学園問題は、表面的に見える金額よりも、遥かに大きな影響を日本国という国家に長期間に与えるのではないだろうか?

その影響とは、冒頭に上げたエントリーに書いたとおり、政治から国家のモラルの崩壊が始まり、果てしなく時代が乱れていくということである。

安倍政権の政策のアレコレによる弊害などよりずっと大きな影響を、長期的に国家に与えていくのではないだろうかと自分は考えている。