来ましたね、ついに。まだ正式確定ではなさそうですが。
それにしても、相変わらずタイミングや考えていることがみみっちくセコいw 臨時国会で森友・加計学園問題をやりたくないし、民進党がゴタゴタしている間に解散したれば一石二鳥という計算が見え見えですな。
あまりのみみっちさに、これまた自民党の中から「やめとけ」という声が出る始末。(それも安倍ちゃん応援団長と言っても良いこの人)
ともあれ解散するということは、議席の変更があるということなので、民進党はともかく受けて立つことですな。党がどんな状況であれ、ここで引いているようでは野党第一党の資格はないでしょう。
ここで前原の動きが鈍いのが気になる。枝野はすでにファイティングポーズをとっている。Twitter歴は前原のほうが長いのに、よく分かっていない。こういうのはスピード感だ。
衆議院解散のようです。しっかりと受けて立ちたいと思います。森友・加計問題から逃げ回り、国会が開かれると逃げられないから解散。あからさまな疑惑隠し解散です。北朝鮮問題を抱える中、党利党略で選挙による政治空白が生じることにもなります。この選挙はこの時期の解散の適否がひとつの争点です。
— 枝野幸男 (@edanoyukio0531) 2017年9月16日
争点:ここで問われるべきは政策より政権の在り方
さて、争点である。この臨時国会冒頭での解散を本当にやるとするなら、これほど政局的な理由による解散はそうは無いだろう。
野党は憲法53条に基づき臨時国会の招集を求めた。であるにもかかわらず、安倍政権は3ヶ月間まるで応じず、挙句招集するとその冒頭で解散するという。つまり、森友・加計学園問題だけでなく、総理自身が国会で「森友や加計よりやるべきことがある」と言っている政策についても議論する気がないということであり、もはや政策もクソもない解散である。
従って、この選挙における争点は基本的に政策ではなく、「安倍政権の政権・政治運営の是非」を中心にするべきである。
なにしろ、政権・政治運営についてのツッコミどころがこれほどあるのだ。どれもこれも憲政という概念そのものを侮蔑しているとしか言いようがない。
- 森友・加計学園問題を初めとした、側近政治を恥じらう気もない人間性
- 臨時国会召集無視を初めとした、憲法を徹底的に無視する姿勢
- 都議選応援における「こんな人達」発言に代表される、国民を選別する思想
- 自分への質問の回答に野党の支持率を持ち出す、異常すぎる国会答弁
- 北朝鮮の危機を強調しながら未だに私邸から通勤する、矛盾した行動
まとめて自分でも目眩がする思いである。よくこんな人物が5年間も総理大臣をやっているものだ。問題の一つ一つをおさらいすると、下記のようなことである。
1.森友・加計学園問題を初めとした、側近政治を恥じらう気もない人間性
森友・加計学園問題は、単なる疑獄というより、安倍晋三個人の人間としての総理大臣の資質のなさが浮き彫りになった話である。安倍晋三本人は否定しているが、はっきり言ってこれまでに明らかになった異常な状況からして、下記の件は事実としか言いようがない。
- 加計学園問題では、自分の友人に便宜を図るように、自分の名を冠した「アベノミクス」の目玉の一つである「国家戦略特区」制度を利用し、数十億円の公金が流れるように画策した。
- 森友学園問題では、安倍晋三の思想に共鳴したという籠池泰典に9億円相当の国有地をタダで払い下げた。また、その事で追求される安倍晋三を助けるべく、国有地売却問題の国会答弁で事実確認や記録の提出を拒み続けた佐川宣寿は、理財局長から国税庁に栄転し、与党からも「悪しき前例」と批判された。
どちらの問題にも見える一つの中心軸は、「愛い奴(ういやつ)」の為に便宜を図ることに何の恥じらいも感じない人間性である。
政治家になる人間に「カネを手にしたい」「出世したい」「英雄として名を残したい」という私心があるのは結構だ。モチベーションにもなろうと思う。だが、公私のけじめを付けられない人間に、筋の通った政治運営はできない。また、そういう人物は戦争や災害などで厳しい状況判断を迫られる状況に追いつめられたとき、易きに流れた結論を出すものだ。そういう人物が国家のトップに居る状態で、果たして北朝鮮と戦争になった時に全うに戦えるのか? 大いに疑問がある。
2.臨時国会召集無視を初めとした、憲法を徹底的に無視する姿勢
国会については、日本国憲法で第4章として、第41条から第64条に定められている。国会議員の不逮捕特権や歳費を受け取る権利なども定められており、それらは安倍晋三にも国会議員として保証されている。
また、内閣については、日本国憲法で第5章として、第65条から第75条に定められている。安倍政権も第65条に「行政権は、内閣に属する」と書かれているが故に行政権を有し、各省庁を動かすことが可能なのである。
安倍晋三は改憲を志す政治家だが、上記の諸権利を日本国憲法に保証されている。それ故、現在の日本国憲法を改正したいにしても、その権利もまた日本国憲法によって保証されているのである。当然日本国憲法への敬意は当然払うべきである。
ところがこの男は、日本国憲法を敵視していると言っても良い行動を繰り返している。例はいくらでも列挙できる。直近は臨時国会召集の無視である。臨時国会の招集については憲法第53条に定められている。
第五十三条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
ここに招集期限は定められていないが、森友・加計学園問題について、安倍晋三自身が「国民に丁寧に説明したい」と言ったのだ。その最もふさわしい場は、全国から選挙で選ばれた、国民の代表たる国会議員が、国民の代わりに行政府に質問を投げかける国会であることは明らかであろう。 即時に臨時国会を招集すべきだ。
ところが安倍晋三は、先の国会から2ヶ月経っても臨時国会を招集しなかった。挙句、この月末に招集するが、即時に解散するというのだ。これほど憲法を愚弄した話があろうか?
そもそも安倍晋三は、日本国憲法を「みっともない憲法」とまで言ったのだ。
自分の地位を保証する憲法を「みっともない」とは……。安倍晋三の国会議員や内閣総理大臣としての諸権利を、どうやら安倍晋三は、「日本国憲法とは別に、安倍家に生まれたものとして、生まれついて保有しているものである」と理解しているようなのである。
自分は現在の日本国憲法は改正すべきだと思っているが、憲法の目的とはそもそも政治権力者に勝手なことをさせない事にある。安倍晋三のように憲法を無視する人間は政治家のままにしておくべきではないし、こういう人間が政治家にならないように日本国憲法を改正しなければならないのである。
3.都議選応援における「こんな人達」発言に代表される、国民を選別する思想
4.自分への質問の回答に野党の支持率を持ち出す、異常すぎる国会答弁
この2つはセットだ。「こんな人達」発言は、森友・加計学園問題で炎上するさなか、都議選の応援で表に出ていかないという総理大臣としてはあまりに異例・異常な対応を行っていた安倍晋三が、都議選の最終日にようやく秋葉原での街頭演説に立ったときに、街頭演説をする安倍を野次る集団に向かって言い放った言葉だ。
正直ネットで聞いた瞬間は耳を疑った。そして、改めてはっきりと分かったのが、安倍晋三は国民全体のために政治をしているのではなく、自分を支持する国民のために政治を行い、反対する国民とは戦う決意を持っているのだということだ。
その姿勢は、この国会答弁にも現れている。
民進党の柚木道義が「世論調査では8割の国民が納得していない。総理から説明するようにご指示を」と質問した時に行われたやり取りで、安倍晋三は「内閣支持率は53%で、自民党の支持率、民進党の支持率はご承知の通り」などと述べ、森友学園への対応を拒否したものだ。
支持率を理由に対応を拒否するというのもバカバカしい話だが、自分が問題にしたいのはこの答弁姿勢そのものだ。民進党の議員も国民に選挙で選ばれた代表であり、彼らの答弁は彼らに投票した有権者の代わりに行っている答弁なのである。*1
国民の代わりに答弁を行う者に対して木で鼻をくくるような対応をするのは、「民進党を支持するような連中にはそれなりの対応で良い」という安倍晋三の思想の表れである。彼は国民を支持者と不支持者に選別して政治を行っているのだ。
5.北朝鮮の危機を強調しながら未だに私邸から通勤する、矛盾した行動
9/15に、北朝鮮からミサイルが発射された。ミサイルは襟裳岬沖2000km……というか、カムチャツカ半島の沖に落ちた。
安倍晋三は拉致被害者奪還で名を挙げた政治家であり、北朝鮮に対する彼のスタンスは一貫して強硬姿勢を示すというものである。また、北朝鮮の脅威を常に訴えていて、ついにこのようなサイトも立ち上げた。
さて、朝鮮半島有事の際に自衛隊の指揮をとるのは誰か? 自衛隊法第7条に、「第七条 内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。」と記載されている。つまり、朝鮮半島に何かが起これば、安倍晋三が指揮をとるのである。
当然ながら、危機は本当に24時間365日、いつ起こるか分からない。その為、日本には官邸に隣接する位置に総理大臣公邸が存在し、危機発生時の情報センターである官邸にはすぐに駆けつけることができるのである。
安倍晋三自身が言うように、情勢は(彼らが9/15に打ったミサイルが日本を狙っているのか否かは別にして)緊張の度合いを増している。何しろこの間の核実験では100ktもの威力を見せつけた上に、ミサイル発射に関しては文字通り、彼らは日本の頭越しにアメリカに圧力をかけているのだ。当然安倍晋三は、総理大臣として公邸に住み、危機にいつでも対応できるようにしているはず……なのだが、していないのである。この緊迫した情勢下でも、彼は基本的に富ヶ谷から毎日永田町まで通勤しているのである。*2
車にして15分ほどの距離だが、歩けば相当かかるはずである。朝鮮半島有事の際、道路状況がどのような事になっているか分からない。一分一秒を争う有事の際に、彼は自宅にいた場合どうやって官邸に行こうというのだろうか?
「事前に情報収集をして、ミサイルの発射情報を察知して、徴候がある場合は公邸に泊まっているから問題ない」という意見もあろうが、北朝鮮も本気で攻撃しようというときに、簡単に察知されるような動きで来るはずがない。必ず前兆は捉えられるという確信はどこから来るのか。言っている事とやっている事の矛盾が大きすぎる。そもそも本人が北朝鮮の脅威など本心ではまるで感じていないのだとしか思えない。
さらなるそもそも話として、北朝鮮情勢の緊迫が度合いを高める中で、どうして選挙をしようと考えるのか? 全く筋道が通らない。おそらく今の日本で、北朝鮮情勢を最も楽観視しているのが、安倍晋三なのではなかろうか。
選挙の通称
選挙にはマスメディアなどによって必ず通称がつけられる。
「バカヤロー解散」や「ハプニング解散」は聞いたことのある人も多いだろう。直近で一番盛り上がったのはおそらく「郵政解散」だろう。
今回の選挙、なんと名付ければよかろうか? 森友・加計学園から逃れること、北朝鮮のミサイルが内閣支持率上昇になんとなく影響していることを契機に選挙をするというのなら、このポストのタイトルのとおり、選挙の通称は安倍首相頑張れ! 安倍首相頑張れ! ミサイル飛んでよかったです! 解散ということで良いのではないだろうか?(長いかな?)