日本の底に、おぞましい不気味な流れが渦巻いているのが見えている。その流れは一つの大きな流れなのか、それとも複数の流れがたまたま同じ方向に向いているのか、よくわからない。その暗渠を築いたモノが何なのかも。
昔からネトウヨがよく、「沖縄で政治活動をやっているサヨクは日当をもらってやっている」などと書いていた。2chなどを中心にネットでは半ばそれは常識的な事実と思われていたフシさえある。
ところがどうも、自分たちが金を使ってそういう記事を量産していたのではないかという事だった。
「政治運動で日当」の話など、「1日に1万円(2万円説も)」などという金額だけでなかなか厳しいネタであることがわかる。100人集まったとして、たった1日で100万が飛ぶ。それにこの手の運動は何日も続く、というか、継続して何年もやっている。一体トータルで何億円がつぎ込まれたというのか。日本共産党その他のサヨク関係諸団体にそんな金をポンと積める資金力があるのであれば、あんなに党員やら運動員やらにカンパを要請しないはずであるし、選挙戦ももっと真っ当に戦えるはずである。
ところが、このネタに「実は中国共産党が資金源になっている」という話まで絡んでくる。中国共産党がどうやって巨額の資金を誰にもバレないように流し込んでいるのか、もちろん誰からも提示されないのだが、そんなことは誰も気にしない。*1
で、一方でクラウドワークスの件である。「ウヨ記事1つ80円」という金額に絶妙なリアリティのようなものも感じる。おそらく発注元はそこそこ稼いでいるネトウヨまとめブログだろう。つまり、「お仕事」としてネトウヨブログを書いているが、手が足りないので外注したということだ。
「共産党が日当を出しながら沖縄で運動をしている」とか書きながら、自分でネトウヨ記事の生産を外注までしている事を、クラウドワークスに発注した人物はどう考えているのだろうか?
また、本件に対し、Twitter上のネトウヨアカウントたちの反応は鈍い。自分たちが散々陰謀論を語ってきていたにも関わらず、自分たちの側からこういうソース付きで、金を使って裏で回してきていた事実を突きつけられるとダンマリになるのか。
暗渠
自分たちが書き立てている「陰謀」と同じことをやりながら、自省のようなものを一つも見せないネトウヨブロガー達と、その周辺の人々。贔屓と沈黙と哄笑で政治を弄ぶ精神性。
単にそれも個々の人間がそういう精神性を持っているというだけではない。そういう精神の有り様を各々が目撃しながら、お互いに連絡を取り合っているわけではないにも関わらず、一様に「黙認」という政治的な態度で、皆で「ぬるり」とやり過ごそうというのである。
この流れ、何とも言えない腐臭を漂わせているではないか。この日本の底にある、普段は姿を見せず、静かに流れている暗渠である。それが今回、ちょっぴり顔を出したというわけだ。
俺はこの暗渠こそ、安倍政権を産んだモノと考えている。それは何かの陰謀(つまり作為)によって生み出されたモノではなく、もっと手に負えない何かだ。
そして、安倍政権もその性格を明確に受け継いでいる。森友・加計学園問題にそれがはっきりと現れた。また、稲田朋美があれだけ長い間更迭されなかったことにも現れていた。
政治はその時代の精神によって生み出される。また、政治はその時代の精神に影響を及ぼす。
表面的に政治だけを見つめていると、その根源となっているものが何なのかを見失うことになる。
今日も暗渠に降り、腐臭を鼻を塞いで耐えながら、その流れをじっと観察するとしよう。